モデルナ、がん治療薬治験への期待で上昇も評価は「E」判定
悪性黒色腫の後期臨床データへの期待から株価は上昇しているものの、EasyAlphaによるヘルスケア同業比較では最低評価にとどまる。
EasyAlpha Research · 2026年9月22日 · 9月22日 18:47 GMT-4Plus
MRNA · Moderna Inc
$182.56+5.6%
最も弱い品質
当社の評価
52週レンジ
- 要点: モデルナのS&P 500ヘルスケア同業他社との比較評価は「E」判定。負債水準は健全なもののモメンタムの弱さが足を引っ張っており、株価はウォール街の平均目標株価を34.5%上回り、買い推奨の比率も21.7%にとどまる。
- 当日の動向: 今後予定されているがん治療薬の後期治験発表を控えた買いが先行し、株価は+5.6%の182.56ドルで取引を終えた。
- 今後の注目点: 10月下旬の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表予定の悪性黒色腫後期治験の詳細データと、11月5日(木)の決算発表。
9月22日(火)の取引で、モデルナ(MRNA)の株価は出来高が平均の1.3倍に膨らむなか+5.6%の182.56ドルで引け、従来の52週高値176.86ドルを上回った。この動きは、同社がメルクと共同開発を進める個別化がん治療薬「intismeran autogene」をはじめとするオンコロジー(がん領域)パイプラインの治験データに対する高まる市場の期待を反映したものだ。
目先の材料となっているのは、マドリードで開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会であり、モデルナは同治療薬に関する3件の抄録が発表に採択されたことを確認している。なかでも注目されるのは、切除術後のステージIIB〜IV期悪性黒色腫を対象とした第3相「INTerpath-001」試験結果に関する10月24日の注目のプレジデンシャル・シンポジウム枠での発表だ。投資家は水曜日に予定されるヘルスケア業界フォーラムへの登壇も睨んでポジションを構築しており、治験プログラムを巡るモメンタムを後押ししている。
火曜日の上昇はここ数週間の大幅な値動きをさらに加速させるもので、過去1週間で+27.0%、過去1カ月で+25.8%の上昇となった。52週安値の22.28ドルと比べると719.4%高い水準で推移しており、年初来騰落率は+519.1%に達している。
だが、S&P 500ヘルスケア同業他社と比較すると、モデルナの評価は「E」判定にとどまる。EasyAlphaのレーティングモデルにおいて「E」は最も低い評価区分に位置する。過去の傾向として、AまたはB判定の銘柄は、DやE判定の銘柄と比べてファンダメンタルズがより強固で、大幅な下落リスクが低いことが示されている。モデルナの評価項目で最も堅調なのは負債状況だが、最大の警戒要因はモメンタムだ。
株価と足元の業績ファンダメンタルズとの乖離は大きい。直近四半期の売上高成長率は前年同期比で+2.1%だった。ウォール街のアナリストも慎重な姿勢を崩しておらず、モデルナを担当するアナリスト23名のうち買い推奨を維持しているのはわずか21.7%で、平均目標株価(119.56ドル)は現在の株価を34.5%下回る水準にある。他のがん治験に伴う臨床リスクや、11月5日(木)の決算発表に向けた割高感を理由に、一部のアナリストは投資判断を引き下げている。
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